職場・施設形態

企業主導型・事業所内保育所で働く保育士の仕事内容・給料・働き方の特徴

更新日:2026/09/08 読了目安:約7分 執筆:保育リーチ キャリアアドバイザー

企業主導型保育事業と事業所内保育事業の違い、保育士の仕事内容と1日の流れ、給料の傾向、休日・シフトの特徴を転職アドバイザーが解説。少人数保育のメリット・デメリット、向いている人、求人票で確認すべきポイントまで分かります。

「企業主導型保育所」「事業所内保育所」という言葉を求人票で目にする機会が増えました。企業が従業員のために設ける保育所、というイメージは合っていますが、制度上は2つの別の事業で、働き方や安定性にも違いがあります。この記事では、両者の仕組みと特徴、保育士の仕事内容と1日の流れ、給料の傾向、メリット・デメリットと向いている人、求人の見極め方をまとめました。「認可園より小さな園で落ち着いて働きたい」「土日休みの保育園を探している」という方に向けた内容です。

企業主導型保育所・事業所内保育所とは|施設の特徴と役割

どちらも企業が主体となって設ける保育所ですが、根拠となる制度が異なります。

項目企業主導型保育事業事業所内保育事業
制度国(内閣府所管、現在はこども家庭庁)の助成事業。認可外保育施設の一種子ども・子育て支援新制度の「地域型保育事業」。市町村の認可
主な利用者設置企業の従業員の子+地域枠(定員の半数まで)従業員の子+地域枠(定員に応じた人数が必須)
対象年齢0歳〜就学前(0〜2歳が中心)原則0〜2歳
定員数名〜数十名。20名以下が多い5名以下〜19名程度
保育従事者の資格半数以上が保育士(それ以外は研修修了者)定員により全員保育士、または半数以上
保育料企業が設定(認可並みの水準が目安)認可と同様に市町村が定める

企業主導型は「病院内保育」「大学内保育」「複数企業の共同設置」など形はさまざまで、運営を保育事業者に委託しているケースが多くあります。求人票に「企業主導型」とあれば、雇用主は委託先の保育事業者であることが一般的です。

配置の目安は認可保育園の基準(0歳児3:1、1・2歳児6:1、3歳児は近年の見直しで15:1など)に準じつつ、企業主導型では1名以上の加配が求められています。少人数で手厚い配置になりやすい点は、小規模保育園と共通しています。

企業主導型・事業所内保育所の保育士の仕事内容と1日の流れ

対象が0〜2歳中心のため、生活援助と個別のかかわりが仕事の軸です。企業内にあるからこその特徴もあります。

  • 保育業務:受け入れ・視診、授乳・離乳食・食事介助、おむつ替え、午睡と午睡チェック、散歩・室内遊び、簡単な製作
  • 書類:個別指導計画、保育日誌、連絡帳、月案。企業主導型は助成の要件として書類や安全管理の記録が細かく求められ、監査対応の準備も発生します
  • 行事:誕生会、季節行事、保護者会程度。大規模な運動会・発表会は少なく、設置企業の家族イベントに参加する園もあります
  • 保護者対応:保護者が同じ建物で働いていることが多く、昼休みに授乳に来る、体調不良時にすぐ迎えに来られるなど、距離の近さが特徴です。一方で企業の従業員としての立場を意識した対応も求められます
  • 開所時間:設置企業の勤務時間に合わせるため、病院内なら夜勤対応の夜間保育、工場なら早朝から、オフィスなら9時〜18時前後など、企業ごとに大きく異なります
時間主な動き(オフィス内保育所の例)
8:00出勤。開錠、検温・視診、受け入れ
9:30朝のおやつ、朝の会、散歩・遊び
11:00昼食(自園調理または外部搬入)
12:00〜14:30午睡。午睡チェック、書類、休憩
15:00おやつ、自由遊び、製作
17:00〜18:30順次降園、清掃・消毒、翌日準備、退勤

土日祝が休みの企業に設置された園は、保育士も土日祝休みで働けることが多く、保育士の求人としては貴重な条件です。逆に病院や商業施設内の園はシフト制で、日曜や夜間の勤務が入る場合があります。

アドバイザーのひとこと 企業主導型は「設置企業の従業員が何人利用しているか」で園の安定度が変わります。従業員枠が埋まらず地域枠に頼っている園は、定員割れで運営が苦しくなることがあります。面接では「現在の在籍人数と定員」「従業員枠と地域枠の内訳」を聞いてみてください。

企業主導型・事業所内保育所の給料の傾向

保育リーチに掲載中の企業主導型・事業所内保育の求人(1,400件)の平均月給は約22.7万円万円です。運営費は助成金や給付費と保育料でまかなわれ、処遇改善に相当する加算も設けられていますが、実際の給与は運営する事業者の規模や方針による差が大きい傾向があります。

  • 運営事業者の規模:全国展開の保育事業者が運営する園は給与テーブル・賞与・研修が整い、単独設置の小さな園は設置企業の判断に左右されます
  • 設置企業の福利厚生:企業によっては保育士も企業の福利厚生(社員食堂、施設利用、健康診断など)を使えることがあります
  • 土日祝休み・固定時間の求人は条件が良いぶん応募が集まりやすく、月給がやや控えめでも人気があります
  • 役職手当:職員数が少ないため役職ポストは限られ、施設長候補としての採用であれば手当が上乗せされます

企業主導型・事業所内保育所に向いている人・メリット・デメリット

メリット

  • 少人数で配置が手厚く、一人ひとりと丁寧に関われる
  • 設置企業の勤務形態に合わせるため、土日祝休みや固定時間の求人が見つかりやすい
  • 大きな行事や壁面装飾が少なく、持ち帰り仕事が発生しにくい
  • 保護者が近くにいるため、体調不良時の対応がスムーズ
  • 企業の福利厚生を利用できる場合がある

デメリット

  • 定員割れや設置企業の方針転換で、閉園・縮小のリスクがある
  • 職員が少なく、急な欠員で負担が集中しやすい
  • 幼児クラスの経験を積みにくく、キャリアの幅が狭くなることがある
  • 病院・商業施設内の園は夜間・日曜勤務が入る
  • 運営事業者が変わると労働条件が変わる可能性がある

土日祝休みや固定時間で働きたい人、乳児保育をじっくりやりたい人、大規模園の人間関係や行事に疲れた人、家庭と両立したい人に向いています。将来園長・主任を目指したい人や幼児教育に関わりたい人は、認可園やこども園を併せて検討してください。

企業主導型・事業所内保育所の求人の探し方と見極めポイント

  1. 雇用主を確認:設置企業か、委託先の保育事業者か。給与・賞与・異動の有無は雇用主で決まります。
  2. 開所日と開所時間:設置企業のカレンダーに準じるため、「土日祝休み」「固定時間」の実態を具体的に確認します。
  3. 在籍人数と定員の内訳:従業員枠が埋まっているかは運営の安定に直結します。
  4. 保育士の割合:企業主導型は半数以上が保育士であればよいため、無資格の保育補助と協働する場面が多い園もあります。自分の役割(リーダーになるのか)を確認しましょう。
  5. 調理と給食:自園調理か外部搬入か、アレルギー対応の体制はどうか。
  6. 監査・書類の体制:助成要件に沿った記録類を誰が担当しているか。事務員がいない園では保育士の負担になります。

よくある質問

Q. 企業主導型保育所は認可外なので、待遇や保育の質が心配です

制度上は認可外保育施設に分類されますが、認可並みの設置基準・配置基準と助成の要件が定められ、定期的な監査も受けます。待遇や保育の質は運営事業者によって幅があるため、「認可外だから」と一括りにせず、園ごとに確認するのが現実的です。

Q. 企業主導型・事業所内保育所は土日休みですか?

設置企業の休業日に準じます。オフィス系の企業に設置された園は土日祝休みが多い一方、病院・介護施設・商業施設内の園はシフト制で日曜や祝日の勤務が入ります。求人票の「休日」欄と、面接での年間休日日数の確認をおすすめします。

Q. 企業主導型で働いた経験は認可保育園への転職で評価されますか?

乳児保育や少人数保育での個別対応の経験は評価されます。ただし幼児クラスの担任経験や大きな行事の運営経験は不足しがちなので、面接では「少人数で培った観察力や保護者との連携力」を具体的に語れるよう準備しましょう。

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タグ:企業主導型 仕事内容 給料

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