職場・施設形態

病児保育・病後児保育で働く保育士の仕事内容・必要な知識・給料・働き方

更新日:2026/09/08 読了目安:約7分 執筆:保育リーチ キャリアアドバイザー

病児保育室・病後児保育室で働く保育士の仕事内容と1日の流れ、看護師との連携、感染症や与薬など必要な知識、給料の傾向を解説。行事や持ち帰りが少なく固定時間で働きやすい特徴、向いている人、求人の探し方まで分かります。

病児保育・病後児保育は、体調を崩して保育園や学校に行けない子どもを一時的に預かる施設です。「行事がなく固定時間で働ける」「少人数で丁寧に関われる」と保育士から関心が高い一方、「医療の知識がないと無理?」「感染症が心配」といった不安もよく聞きます。この記事では、病児保育の種類と役割、保育士の仕事内容と1日の流れ、必要な知識、給料の傾向、メリット・デメリットと向いている人、求人の探し方を整理しました。看護師と協働する保育の実像を知りたい方に向けた内容です。

病児保育・病後児保育とは|施設の特徴と役割

病児保育は、子ども・子育て支援新制度の「病児保育事業」として市町村が実施主体となり、医療機関や保育園、専用施設に委託して運営されています。主に次の類型があります。

類型対象主な実施場所
病児対応型病気の回復期に至らないが、当面の症状の急変が認められない子ども病院・診療所に併設の専用室
病後児対応型病気の回復期にあり、集団保育が困難な子ども保育園に併設の専用室、専用施設
体調不良児対応型保育中に体調不良になった在園児保育園内の医務室など
非施設型(訪問型)自宅での保育を希望する病児・病後児利用者の自宅

このほか、自治体や企業が独自に運営する病児保育室や、認可外として運営する施設もあります。定員は1日3〜6名程度と少なく、利用は事前登録と当日予約が基本です。医師の連絡票(診療情報)をもとに受け入れを判断します。

職員配置は、国の実施要綱で看護師などを利用児童おおむね10人につき1人以上、保育士をおおむね3人につき1人以上配置することとされています。実際の現場は看護師1〜2人と保育士1〜3人の小さなチームです。

病児保育の保育士の仕事内容と1日の流れ

病児保育の保育士は、看護師と連携しながら「体調に合わせた静かな保育」と「回復を妨げない生活の援助」を担います。

  • 受け入れ:予約の確認、症状と診断名の聞き取り(保護者と看護師が中心、保育士は生活面を確認)、持ち物と与薬依頼書のチェック
  • 保育:安静を保ちながらの遊び(絵本、パズル、折り紙、ごっこ遊び)、テレビや動画に頼りすぎない工夫、年齢が異なる子どもの合同保育
  • 生活援助:食事(消化の良い食事や持参した食事)、水分補給、午睡、排泄。症状によっては食欲がなく、無理をさせない判断が必要です
  • 観察と記録:検温、機嫌、食事量、排泄、咳や発疹の様子を定期的に記録し、看護師と共有。急変時は看護師・医師に即報告
  • 与薬:保護者の依頼書と看護師の確認のもとで薬を飲ませる補助(内容は施設のルールに従う)
  • 感染対策:隔離室の使い分け(感染症の種類による部屋分け)、消毒、リネン交換、換気
  • 書類:保育記録、連絡票、利用報告書。自治体への実績報告のための記録が必要です
  • 保護者対応:預かり時と迎え時の丁寧な報告。不安を抱えた保護者への声かけが重要です
  • 予約管理・事務:電話やアプリでの予約受付、キャンセル対応、登録書類の管理
時間主な動き
7:45出勤。室内の消毒・換気、予約と部屋割りの確認
8:00〜9:00受け入れ。症状の聞き取り、持ち物確認、検温
9:30静かな遊び、検温・観察と記録
11:30昼食(各自の食事や施設の病児食)、与薬の補助
12:30〜14:30午睡。観察と記録、休憩を交代で、書類作業
15:00おやつ、水分補給、遊び
16:30〜18:00順次お迎え。1日の様子を報告、清掃・消毒、翌日の予約確認、退勤

開所は平日の日中のみが大半で、土日祝は休みの施設が多くなります。利用がない日は待機しながら環境整備や研修を行います。早番・遅番の幅は小さく、固定時間に近い勤務です。

アドバイザーのひとこと 病児保育で気持ちよく働けるかどうかは、看護師との関係で決まると言っても過言ではありません。「保育のことは保育士が判断する」と尊重してくれる看護師がいる施設は、保育士の専門性が活きます。見学では、保育士と看護師がどんな言葉でやりとりしているかを見てください。

病児保育の保育士に必要な知識

医療行為は行いませんが、次の知識があると安心して働けます。多くは入職後の研修や日々の看護師との協働で身につきます。

  • 子どもに多い感染症の基礎:インフルエンザ、RSウイルス、アデノウイルス、手足口病、溶連菌、胃腸炎などの症状・感染経路・登園再開の目安
  • 標準予防策:手指衛生、手袋・マスク・ガウンの使い方、吐物処理の手順、消毒液の使い分け
  • 観察のポイント:呼吸の様子、顔色、機嫌、水分摂取量、尿の回数など、急変の兆候を見逃さない視点
  • 与薬の注意:依頼書の確認、薬の保管、飲ませ方、飲めなかったときの対応
  • アレルギー対応:食物アレルギーの確認と誤食防止
  • 保護者支援:仕事と看病の板挟みになる保護者への理解と、体調に合わせた家庭での過ごし方の助言

病児保育の給料の傾向

保育リーチに掲載中の病児保育の求人(100件)の平均月給は約22万円万円です。病児保育事業は自治体からの委託費が運営の中心で、利用人数に波があるため、給与は運営主体(病院、医療法人、保育事業者、自治体)の規定によります。

  • 医療法人・病院運営:病院の給与規定が適用され、賞与や福利厚生が安定している施設が多い
  • 保育園併設:園の保育士と同じ給与体系で、処遇改善等加算の対象になる場合があります
  • 求人数:施設数自体が少なく、正社員の募集は欠員が出たときに限られる傾向。パートや看護師併用の募集が多い
  • 手当:固定時間・土日祝休みが多いぶん、夜勤手当や変則勤務手当はほとんどありません

病児保育に向いている人・メリット・デメリット

メリット

  • 行事・壁面装飾・指導計画などの負担がほぼなく、持ち帰り仕事がない
  • 固定時間・土日祝休みの施設が多く、家庭と両立しやすい
  • 少人数で一人ひとりと向き合え、回復していく姿を見守れる
  • 看護師との協働で医療的な知識が身につき、保育園に戻っても役立つ
  • 保護者から感謝される場面が多い

デメリット

  • 利用人数が日によって変わり、ゼロの日と定員いっぱいの日の差が大きい
  • 感染症にさらされる機会が多く、自身や家族の体調管理が欠かせない
  • 担任として子どもの成長を年間で追う経験ができない
  • 施設数が少なく、正社員求人が限られる
  • 保育士の専門性を尊重しない施設では「看護師の補助」になってしまうことがある

体調の悪い子どもに寄り添うことにやりがいを感じる人、静かで落ち着いた保育を好む人、固定時間で家庭と両立したい人、医療的な知識に興味がある人に向いています。行事や製作、担任としての1年間の保育を大切にしたい人は、保育園と併せて検討するとよいでしょう。

病児保育の求人の探し方と見極めポイント

  1. 類型と運営主体:病児対応型か病後児対応型か、病院運営か保育園併設か。病児対応型は重い症状の子も預かるため、看護師の常駐体制を確認します。
  2. 職員体制:看護師と保育士の人数、利用ゼロの日の業務、保育士の役割分担。
  3. 感染対策:隔離室の数、換気設備、ガウンやマスクの支給、職員の予防接種の扱い。
  4. 勤務時間と休日:固定時間か、開所時間の幅、土曜開所の有無。
  5. 研修:入職時の感染症研修、看護師によるOJT、外部研修への参加支援。
  6. 応募書類:保育園での保健業務(検温・与薬・アレルギー対応・保健だより)の経験や、看護師との連携経験を具体的に書くと評価されやすくなります。

よくある質問

Q. 病児保育で働くのに医療の資格や経験は必要ですか?

保育士資格があれば働けます。医療行為は看護師が担い、保育士は観察・記録・生活援助・遊びを担当します。感染症や与薬の知識は入職後に学べるため、「学ぶ意欲」を面接で伝えることが大切です。

Q. 病児保育の保育士は感染症にかかりやすいですか?

リスクはありますが、標準予防策と隔離室の運用が徹底された施設では防げる部分が大きいです。予防接種の状況や、体調不良時に休みやすい体制かを面接で確認してください。

Q. 病児保育の経験は保育園に戻るときに評価されますか?

保健・衛生の知識、観察力、保護者支援の経験は保育園でも評価されます。ただし担任や行事の経験が不足しがちなので、面接ではその点を補う経験(保育園での担任経験など)と合わせて伝えるとよいでしょう。

保育リーチで求人を探す

タグ:病児保育 給料 残業

転職するか迷っている段階でもOK。希望条件に合う求人や、非公開求人の有無をキャリアアドバイザーがお調べします。

無料で転職相談をする

あわせて読みたい記事

ページTOPへ戻る